翻訳のお仕事実務翻訳者(修了生)にインタビュー ~実務翻訳の仕事とは~Vol.1
翻訳を通してふだん触れることのない世界を見ることができるのは楽しいです
Vol.1 宮坂祐子さん(実務翻訳者)
今回は翻訳講座を修了し、現在、社会・文化分野を中心に翻訳のお仕事をされている宮坂さんにオンラインでお話をうかがいました。
宮坂祐子さん(実務翻訳者)
基礎、Step1・Step2 社会・文化 英→日/日→英コース修了後、実務翻訳者に。現在は、社会・文化、国際協力などさまざまな分野の翻訳を手がける。
- 翻訳の学習を始めたきっかけや翻訳者を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
- 宮坂さん:田舎に住んでいて、まだ子どもも小さかったので在宅でできる仕事があればと思ったのが一番のきっかけです。最初に見つけたお仕事は文字起こしのお仕事でした。文字起こしのお仕事もふだん聞くことのないさまざまなお話に触れることができて面白かったのですが、もう少しステップアップして、英語を使って何かお仕事ができないかなと思い、翻訳の勉強を考え始めました。それまで特に英語を使ったお仕事の経験などはなく、得意というわけではなかったのですが、文字起こしのお仕事と同様に「言葉」を扱うお仕事には興味がありました。
- 和訳(英日)と英訳(日英)は同時に受講されましたか?
- 宮坂さん:特に英語圏で生活していた経験はなく、日本語の方が得意かなというのがあったので、まずは和訳を受講しました。その後、まず和訳の翻訳者として登録し、和訳のお仕事を少しずついただきながら英訳の勉強も始めました。和訳を受講する中で英訳の参考となる表現なども勉強することができたのでよかったです。
- 受講中はどのように勉強されていましたか?
- 宮坂さん:最初からきっちりと学習スケジュールを立てるのが難しかったので、空いた時間を見つけて勉強をしていました。はやる気持ちはありつつも、翻訳が終わってもすぐに提出はせず、必ず一晩は寝かせて翌日以降に何度か見直しをしてから提出するようにしていました。主婦的な発想で、受講料を考えると1題1題おろそかにできないなと思っていたので(笑)
- 受講中、点数が伸びずに悩んだことはありますか?どのように対処していましたか?
- 宮坂さん:最初に受講した和訳は比較的スムーズに登録まで進んだのですが、英訳は専修科も受講し、なかなか点数が伸びなかったこともありました。添削が返ってきたら復習し、間違ったところや自分では思いつかない表現などはエクセルにまとめたりしていました。まとめる過程で自分で調べたりすることで理解度が深まるのではと思います。自分で調べてもどうしてもわからないところは質問シートで先生に質問をしたり、教務課に相談したりしていましたね。また、翻訳者登録後も勉強のために最後まで専修科を受講しました。いろいろお世話になりました(笑)
- 現在はどんな内容の翻訳をされていますか?
- 宮坂さん:英訳で翻訳者登録してからは、英訳のお仕事の方が多いですね。最近は、英訳では美術館のパンフレットやウェブサイトの改訂、大学の先生のコラム、スーパーの商品説明など、和訳では社内の研修資料やJICA関連の翻訳などです。MRIで翻訳のお仕事を始めてから、他の会社のトライアルを受けて合格し、現在はMRIを含め2社からお仕事をいただいています。もともとは国際協力関係の翻訳に興味がありましたが、実際に依頼される案件の内容はさまざまで、翻訳を通してふだん触れることのない世界を見ることができるのは楽しいです。
- 受講と仕事の一番の違いは何ですか?
- 宮坂さん:一番の違いはやはりお金です(!)お金を払って翻訳を見てもらうのか、翻訳をしてお金をいただくのかで責任が大きく違います。当然ですが調べることは徹底的に調べて、どうしてもわからなかったらちゃんと申し送りをしなければなりません。品質の悪い翻訳を納品してしまうと次のお仕事が来なくなってしまうかもしれないので、翻訳スピードも重視しつつ、見直しも時間をかけて丁寧に行うようにしています。
- どのような環境でお仕事されていますか?
- 宮坂さん:受講の時からあまり変わりはなく、ノートパソコン1台です。持ち歩けるので、平日家に一人でいるときはリビングで仕事をして、お休みの日に家族が家にいるときは別の部屋でなど、気分を変えるために場所を変えてお仕事をすることもありますね。
- コロナ禍で仕事に何か変化などはありましたか?
- 宮坂さん:コロナの初期は一時的にお仕事が減ったことがありましたが、結構すぐに通常に戻ってあまり影響はなかったです。社内文書を翻訳することが多いので、原文にコロナ関連の用語が出てくるようになったりと、そうした変化は感じますね。
- 「“言葉”を使って地元に貢献がしたい」という思いから、最近は週1回地元の留学生に日本語を教えているという宮坂さん。「翻訳のお仕事に通じる部分もあるんです」と楽しそうにお話しされる様子から、「言葉が好き」という思いが翻訳のお仕事の原点になっているように感じました。(MRI語学教育センター 鈴木)
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